新型コロナウイルス感染症の位置づけが、令和5年5月8日から「5類感染症」へと引き下げられたことに伴い、
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会員事業所紹介

合同会社 てんとうむし
代表 宮腰 菜津子さん

「こぎん刺しの模様を活かした『ランプシェード(吊り)』などの新作に力を入れています」と話す宮腰さん

「つまみ細工」など伝統工芸の技を通して「和の心」を世界に発信

江戸時代から伝わる「つまみ細工」(布のきれ端から作られる)や青森の「こぎん刺し」「ねぶた」の技法から生み出される数々のアクセサリーやアート作品は力強さと繊細さを融合させた仕上がり、時を経て現代に受け継がれる伝統工芸文化が息づいている。今年4月に会社を設立。作品陳列と商談ができる事務所を古川一丁目にあるビル1階に置いた。同時にこれまでインターネットで作品を販売していた自身のブランド「てんとうむし」から自らの名前を冠した「NATSUKO MIYAKOSHI」を新たに立ち上げた。「てんとう虫は幸せを運ぶ虫。私の作品を手に取った人に幸せが届きますように」と、前ブランド名を社名にした。

高校卒業後に東京のファッション専門学校で学び、舞台衣装などに携わった経験から装飾品のハンドメイドに興味を持つようになり、起業へと駆り立てた。6年間の東京生活に終止符を打ち、今年2月に帰郷。市や青森商工会議所が新事業を興す事業者を応援していることを知り、起業のノウハウを学び関係機関の協力を得て起業を果たした。「起業はしましたがこれからが大変。事業継続には困難が伴います。『続ける』という決意と覚悟を日々持ち続けたい」。

「つまみ細工」は、『布』だからこそ表現できる軽やかな質感が魅力と言い、花びらを模したアートやアクセサリーは「できるだけ生花に近づける作品づくりを心掛けています」と話す。

7月、フランス・パリで開催された「ジャパンエキスポ」(日本の伝統文化やサブカルチャーを紹介するイベント)に出展した。「あおもり藍」染めの布地などを使った「つまみ細工」のアート作品は、展示ブースを訪れたパリっ子の関心を大いに引いた。「リンゴの木の土台につまみ細工の花を生けたインテリア装飾などの実演に見入り、『素晴らしい』と最大級のお褒めの言葉をもらいました。日本の伝統工芸は海外でも高い評価を得ているのを実感しました」。

20代半ばで起業。不安はなかった?の問いに「頭で考えるよりも行動に移すタイプ。上京したころから起業することを考えていた。ネットワークの輪を広げ、国内だけでなく海外にも販路を広げたい」。11月には初の個展が東奥日報新町ビルで開催される。「大勢の人に作品に触れてほしい」。工芸作家の技を通して「和の心」を世界に発信する―。夢は無限大に広がる。

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