会議所とともに
青森商工会議所(若井敬一郎会頭)は2月16日、ホテル青森で「青森市との重点課題に関する懇談会」を開いた。地域経済活性化対策推進のための重点課題について、市長並びに関係部長と懇談し、情報共有の場とするのが目的。昨年7月の開催に続く第2弾。
若井会頭はあいさつで、韓国のカーリング選手団が青森市で合宿を行っていることについて触れ、「行政、経済界が協力して合宿誘致が実現した。市政のさまざまな課題について行政と連携を深めたい」と話した。
懇談会には会頭・副会頭はじめ各部会長・委員長、市側からは鹿内博市長、加賀谷久輝副市長ほか市民政策部、財務部、経済部の担当部長ら合わせて37人が出席した。
懇談会では、鹿内市長が「平成27年度青森市当初予算の概要」について講話した後、「地域経済活性化に向けた産業振興・まちづくり」について意見を交わした。三浦祐一商業振興委員会委員長は、2014年度補正予算案に経済対策の一環で盛り込まれたプレミアム付き商品券について発言、「発行終了後も市単独事業として可能な範囲で事業を継続してほしい」と要望した。對馬忠雄都市づくり委員会副委員長は「駅を中心としたまちづくりの全体像と中心市街地、新青森駅周辺、操車場跡地の3拠点の役割分担と連携策についての具体的な計画を示してほしい」と要望。中山大輔観光サービス部会長は「青森市の冬期観光対策」と「スポーツ・コンベンション誘致に向けた体制整備」について支援を求めた。
これら要望・発言に対し、市側は「プレミアム商品券は市の厳しい財政事情を踏まえると市単独の継続は難しいが、アンケート調査を実施し事業効果を検証する」「駅および駅周辺地区の特性を生かしたまちづくりを第2期青森市中心市街地活性化基本計画の核的事業に位置づけており、駅を中心としたまちづくりは、有識者会議の意見を聞き取り組む」「雪と灯と食をテーマにした市民参加型のイベントを積極的に催し、青森の冬の魅力を発信していく」「スポーツ・コンベンションの誘致は競技団体との連携が不可欠であり、関係機関・競技団体と連携して取り組む」—などと答えた。
意見交換では、各部会長・委員長らが「大型クルーズ客船に対応した港湾整備の促進」「冬の八甲田の安全のための体制整備」などについて要望したほか、まちづくり全般について発言した。石田憲久副会頭は、魅力ある街づくりには大学生など若い人の視点が大切とし、「郊外の大学から中心市街地に気軽に足を運べるよう学生が利用しやすいバスや駐車場の料金設定を検討してほしい」と要望した。
鹿内市長は「足の問題含め中心市街地・商店街のにぎわい創出に向けた大学生の活動支援は新年度から実施する『まちなかフィールドスタディ支援事業』の中で検討したい」と答えた。
懇談会全体の総括で鹿内市長は「地域経済の発展は経済界の後押しがないと前へ進まない。商工会議所と互いに情報を共有し、共に取り組んでいきたい」と話し、若井会頭は「中身の濃い話し合いが出来た。市発展には行政と経済界が共に課題に取り組むことが重要であり、今後もこうした懇談の場面を増やしていきたい」と締めくくった。
青森商工会議所が実施している「青森の魚食文化を活かした事業化可能性調査」事業の活動内容を伝える写真展「丸の内朝大学2014温泉とお魚クラスin青森」が2月28日から3月31日まで、青森市安方のねぶたの家「ワ・ラッセ」で開かれている。
同商工会議所は昨年、東京大手町・丸の内・有楽町エリアをキャンパスに見立て市民講座を開講している「丸の内朝大学」の参加者を対象に、丸の内と青森の両会場で青森の魚介類の魅力を伝え、魚介類を活かした体験型メニューを提供する青森の幸フォーラムやフェアなどを実施した。
ワ・ラッセ西側エントランス通路壁面には、同事業のうち同大学2014年春学期の「温泉とお魚クラス青森編」の活動と体験型メニューのモニタリングや青森でのフィールドワークの様子を紹介した約40点の写真・パネルが展示されている。
写真展初日は、同大学講師を務める石井宏子さんが来場。石井さんは温泉ビューティー研究家として全国の温泉地を巡り、温泉、食を生かして心も体もきれいになる“ビューティツーリズム”を提唱している。石井さんは、受講者らが撮影した写真の一コマに熱心に見入りながら、「温泉が多く、自然の恵みも豊富な青森はビューティツーリズムを実践するには最適」と話していた。