特 集


主催・青森商工会議所−「短命県返上特別講演会」−主管・健康福祉衛生部会

人は人生を楽しむために生きている

長寿県長野に学ぼう—作家・鎌田實氏、弘大教授・中路重之氏が講演


ユーモラスな語り口で講演する鎌田氏

健康相談コーナーなどが設けられ市民の関心を集めた

 青森商工会議所主催の短命県返上をテーマにした「特別講演会」(健康福祉衛生部会主管)が11月10日、青森市のリンクステーション大ホールで行われた。会場は多くの聴衆で埋まり、柔和な人柄とユーモラスな語り口で知られる医師・作家の鎌田實氏、弘前大学大学院医学研究科長・中路重之氏の講演に熱心に聞き入り、「命と健康」の大切さを学んでいた。

 講演会は行政、医療・福祉・健康関連団体、企業の各現場での平均寿命を伸ばす試みを後押しし、短命県返上運動の醸成、普及・啓発を目的に行った。若井敬一郎会頭が「健康増進への理解を深めてほしい」、来賓の鹿内博市長が「市は健康アップ推進会議を立ち上げた。体も心も元気になろう」と、それぞれあいさつした。

 中路氏は「寿命からみた青森県人の健康とその対策」と題して講演。長寿県とされる長野県と本県の違いに着目、「保健師の数(人口当たり)は長野全国2位に対し、青森は30番目。長野は高齢者(65歳以上)の就職率も高く、健康への意識の持ち方が違う」と指摘。その上で、「健康意識を高めるには地域、学校、職場が一体となった取り組みが必要であり、保健協力員など健康リーダーの育成が急務。健康の大切さは人から人へ伝えるもの。健康づくりはまちづくりにつながる」と語り、長野県に学ぼう−と力説した。

 「長寿の秘訣を教えます」(〜命・予防・介護・絆を考える)と題して講演した鎌田氏は諏訪中央病院(長野県)に就任後、健康づくりの生活指導を始めるなど地域医療の最前線で活躍してきた経験談を披露。「人間はいくつになっても人生を楽しむために生きている。希望を持つことが大切で、健康の源は生きがいづくりにある」と語った。また、「病気や障害があっても旅を楽しんでいる人がいる。人は人と人の関係の中で変われる」と話し、「いのちは決して一人では輝けない」−との哲学を語った。自著「1%の力」を引き合いに出し、「ほんの少しでも人のために何かをやろうとする思いがあれば変われる」と力説し、短命県返上のために何をすべきかを考えてほしい」と語り掛けた。

 鎌田氏はチェルノブイリ、イラク、東日本被災者支援など関わったさまざまなボランティア活動に触れ、「黒石市の養父母に育てられ、特に父からは弱い立場にある人のことを忘れるなと教わった。ボランティアの実践は、そうした父の教えがあるからだ」とも語った。

 会場には大学、医療団体、医師会などによる健康・栄養相談コーナー、健康寿命アップパネル展示のほか、健康食品の試食、減塩味噌等商品PRなど企業の出展コーナーも設けられた。

 本県は平均寿命が全国最下位の“短命県”。特に働き盛りと呼ばれる40代から50代にかけての死亡率が高いとされ、その年代層の死亡率回復が喫緊の課題となっている。当所は平成26年度事業計画に「県民の健康と労働生産性の向上を目指す『健康経営』への取り組みによる短命県返上の実現」を盛り込んだ。


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