会議所とともに


青森商工会議所創立120周年記念式典・祝賀会


星霜刻み120年。先人の精神、未来へ繋ぐ

節目の年と新たな門出祝う


節目の年を祝い、将来の発展を誓った「創立120周年記念式典」=10月24日、ホテル青森

 青森商工会議所の「創立120周年記念式典・祝賀会」が10月24日、ホテル青森で開かれた。来賓の県知事、市長(代理)はじめ県内商工・経済団体代表、会員約200人が出席、節目の年を祝い将来への発展を誓った。

 式典で林光男会頭が「あり余る情熱を傾けた多くの先人の理念を今に引き継ぎ、次世代に歴史や想いを繋いでいく。活力ある地域づくりの一翼となり、地域の希望となりうる総合経済団体として今後も精進していく」と式辞を述べた。
 来賓の三村申吾知事は「創立120年を迎えらたことは誠に意義深く、会員各位のたゆまぬ努力と研さんのたまものであり、敬意を表します。地域経済活性化に向け果たす役割はさらに大きくなるものと期待され、引き続き元気づくりのパートナーとして県政運営にお力添えをお願いします」と祝辞。続いて、鹿内博市長が「120年の長きにわたり、青森市の産業振興と豊かな郷土づくりに多大な貢献を果たされた。その功績に対し深く感謝します」(加賀谷久輝副市長代読)と、お祝いの言葉を述べた。
 式典では、長年事業を続けている事業所や功労のあった個人・団体、永年勤続優良従業員を表彰した。祝賀会では、七尾三郎兵衛副会頭の音頭で高らかに乾杯した。 
 明治26(1893)年10月24日、「青森商業会議所」としてスタート。昭和28年に制定された「商工会議所法」により、現在の「青森商工会議所」に改称された。明治、大正、昭和、平成と時代の変遷の中にあって常に地域経済の振興発展に意を注ぎ、経済団体として先導的役割を担ってきた。盛岡以北の整備計画から38年という年月を経て全線開業した「東北新幹線」の整備促進運動はじめ産業基盤整備の充実に力を入れた。平成5年に100周年、同15年に110周年記念式典を行った。

青森商工会議所創立120周年記念式典・祝賀会



県内の経済人が集い、熱気に包まれた(祝賀会)

祝賀会であいさつする林会頭

祝賀会で談笑する出席者ら

七尾副会頭の音頭で乾杯、節目を祝う(祝賀会)

業界発展に功労した個人・団体を表彰

事業所顕彰で表彰される事業所代表

青森商工会議所創立120周年記念フォーラム


地域間競争に勝ち抜くため知恵を結集

会議所の果たす先導的役割一層重く


「魅力ある街・青森の力・更なる躍進」をテーマにパネルディスカッションした「120周年記念フォーラム」=ホテル青森

テーマ「魅力ある街・青森の力・更なる躍進」


青森の最高の資源は「ヒト」

  創立120周年を迎えた青森商工会議所は10月24日、記念事業となる「創立120周年記念フォーラム」をホテル青森で開催、記念講演とパネルディスカッションを行った。
 記念講演ではJR東日本の深澤祐二副社長が講演した。深澤氏は同社が取り組んでいる地方中核都市の活性化策について披歴、「コンパクトシティを目指している青森市は駅を中心とした街づくりを進めている。地元と話し合いを重ね協力したい」と語った。(講演要旨は別掲)
 「魅力ある街・青森の力・更なる躍進」をテーマにしたパネル討議では香取薫青森公立大学学長をコーディネーターに、清水紀男(日本銀行総務人事局長)、本宮彰(東日本旅客鉄道事業創造本部地域活性化部門部長)、九戸眞樹(青森県観光連盟専務理事)、柳谷章二(青森商工会議所運輸交通部会長)、倉橋純造(同青函圏交流特別委員長)の5氏がパネリストを務めた。

新幹線・空港・港。充実の交通アクセス生かせ

 最初に「青森の力とは何か」について討議。元日銀青森支店長の清水氏は「青森の強みは手垢のついていないありのままの自然が豊富にあること。青森は新幹線、空港、港など交通アクセスが充実している。青森は遠い所というイメージがあるのは残念なこと」と話し、今春まで青森のJRグループ会社で活性化事業に携わった本宮氏は「本州の端っこにあるという物理的位置関係がポテンシャルになっている。もう一つ、外国客船と津軽海峡というキーワードがある。津軽海峡は世界共通語であり、世界で認知されている。これを活用しない手はない」と語った。九戸氏は海、山がすぐ近くにある田園都市・青森の優位性を強調、「青函連絡船に象徴されるように、ある年代の人にとって青森は想い出を語れる場所になっている。大人の修学旅行先としての青森をもっとPRしたい」とした。柳谷氏は「街路樹を育て日本一美しい名前にふさわしい青い森をつくり、森林文化の発信都市としての集積を図ってはどうか」と提案。倉橋氏は「青森が最も誇れるのはヒト。青森人の素直な人柄、人を大切にする心はもっと自慢していい。資源は人なり—の精神をあらゆる分野に浸透させたい」と話した。
 続いて、青森商工会議所が取り組むべき課題、目指す方向性について意見を出し合った。清水氏はGPS(全地球測位システム)を活用した観光行動の調査分析を通して新たな観光ルートを発掘しようという観光庁の試みについて触れ、「複数の自治体間の連携が必要。商工会議所はこうした動きに敏感であってほしい」と提言、さらに「地域ブランドを高めるには短命県の返上は喫緊の課題」と指摘した。
 九戸氏は「都市の設計と観光行政は一体という考えを基に、商工会議所には強いリーダーシップが求められる。人材育成の面では例えば、観光を盛り上げる若いヒーロー役が出てきてほしい」と注文。柳谷氏は「街づくりもそうだが、都市間競争を勝ち抜くには何を核に据えるのか、コンセプトと戦略が必要」と訴えた。人材供給県としての本県の姿に危機感を示した倉橋氏は「人材が戻ってくる施策と環境整備が早急に求められる。人材活用なくして地域の振興はない。商工会議所としても農林水産業と連携した6次産業化に取り組むべき」と力を込めた。
 「青森港へ入港するクルーズ客船が増えている。海を活用した観光需要の掘り起こしにもっと知恵を絞るべきだ」「奥入瀬にオープンバスを走らせて森林浴を体験してもらってはどうか」などの意見も出された。
 意見・提言の数々について香取氏は「注文が多いのは、それだけ商工会議所に寄せる期待の大きさの表れ。皆さんの声、アイデアをどう具体的に形にしていくのか。地域の元気づくりの先導役としてその存在感を大いに発揮してほしい」と述べ、締めくくった。
 来場者はパネルディスカッションを通じ、青森市の魅力や価値を再発見しながら観光資源の優位性など、「地域おこし」に勝ち抜くための知恵を探っていた。


テーマ「魅力ある街・青森の力・更なる躍進」



記 念 講 演(要旨)

深 澤 祐 二 氏

東日本旅客鉄道株式会社代表取締役副社長

 JR東日本グループは東日本大震災を契機に、経営構想の中で震災からの復興と観光流動の創造を掲げ、地方中核都市の活性化策に取り組んでいる。全国で駅を核としたまちづくりが注目を浴び、コンパクトシティーを目指す青森市も駅中心の街づくりが進められている。関係の皆さんと意見を交わしていきたい。観光を地域振興の推進役にするには情報の発信が大切だ。「歴史」「文化」「自然」「食」など青森が全国に通用する素材を掘り起こし、宣伝し、お客様に提供する。JRデスティネーションキャンペーン(DC)の狙いはそこにある。地元にとって当たり前の食材のブランド化に成功した事例として「のっけ丼」がある。地域マーケットを全国区に押し上げるには、1次生産(魅力ある素材・原料)、2次加工(技術)、3次販売(情報発信、マーケティング)のサイクル確立(6次産業化)が有効打となる。生産者、行政、JR東日本グループとのネットワークづくりも欠かせない。グローバル化に向けた取り組みも急務。訪日旅行者は東京、富士山、京都、奈良へのコースが定番で、圧倒的に東日本エリア(東北は5%以下)の訪問率は低い。「東北ゴールデンルート」を構築して新たな需要を惹起したい。北海道新幹線開業をにらんだ青函広域観光を売り込みたい。互いに持つ素晴らしい観光資源を武器に青函をひとつのエリアとして外から認知してもらうことが大切だ。当社の基本コンセプトは「地域に生きる。世界に伸びる。」。青森市の活性策を応援していきたい。


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