特 集


2013年・青森港新中央埠頭に18隻

大型客船 寄港ラッシュ

商工会議所など関係団体が港湾の機能強化を県に要望

初の寄港地である青森港に降り、県内の観光地巡りに向かう「サン・プリンセス号」の外国人客
=青森港新中央埠頭

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 「青森港に今年、国内外から大型客船の寄港ラッシュが続いている。4月3日の「にっぽん丸」を皮切りに、8月末までには15隻の大型客船が入港。さらに9、10月には「にっぽん丸」「ハンセアティック」「飛鳥Ⅱ」の3隻が寄港する。同港への寄港船数は来年度約20隻が予定され、年々増加傾向にある。県は青森港の大型クルーズ船増加に対応した受け入れ態勢の強化を進める一方、経済界も大型客船を迎えるための官民挙げた環境整備に動き出した。青森商工会議所は「青森港新中央埠頭(ふとう)の機能強化」を県に要望したほか、歓送迎行事の充実や観光ルートの開拓など大型客船の誘致拡大、誘致による経済効果アップに向けた取り組みを強化する。
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誘致拡大、経済効果アップへ態勢づくり急ぐ


飛鳥Ⅱ号を歓迎するねぶた囃子

津軽三味線と手踊りで入港を出迎えるセレモニー

 5月8日。青森港新中央埠頭に一見、ビルと見間違えるほどの巨大な船体が浮かんだ。米国の豪華クルーズ客船「サン・プリンセス号」。約7万7千㌧、全長約260㍍、全幅約32㍍という大きさは同港に入る客船としては過去最大だ。「サン・プリンセス」は横浜港を出港(12泊のクルーズ)後、最初の寄港地・青森港に入港。青森港国際化推進協議会(会長・鹿内博市長)メンバーらがねぶた囃子(ばやし)で歓迎した。
 同埠頭への寄港は2012年11隻、13年18隻と増え、来年2014年は20隻程度が予定されている。近年、世界のクルーズ船各社は拡大するクルーズ需要に対応するため船舶数の増加や客船の大型化を図る傾向が強く、加えて日本のクルーズ市場を狙った欧米船舶会社の動きが加速。大型客船寄港ラッシュの背景にはこうした要因が挙げられる。
 クルーズ船増加に対応した受け入れ態勢を整備し寄港促進を誘発することは経済界の喫緊の課題だ。青森商工会議所、青森市、青森観光コンベンション協会、青森港振興協会、青森港湾研究協会は今年2月、三村申吾知事に対し、「青森港中央埠頭の機能強化に関する要望」を行った。大型化する客船が安全に入・出港できるように埠頭の拡張、東側護岸の改良による大型係船ドルフィン式桟橋の設置、曳船の配備増などを要請した。
 経済界の強い要請に対し、県も大型客船誘致を後押しするための対策に本腰を入れる。本年度、同埠頭の機能調査を実施。科学的データを基に300㍍級大型客船の接岸も可能であることをアピールし、調査で得られた安心・安全情報を客船に提供するなどポートセールスに役立てる意向だ。
 乗客向けの受け入れ対策も急務だ。歓送迎行事の充実や観光ルートの開拓、乗客が観光地に向かう二次交通の連携などの取り組みが求められる。大型クルーズ船の寄港は一度に数千人規模の旅客が訪れるため、インバウンド拡大による消費動向次第では観光振興につながり、外貨獲得など経済波及効果を生む。
 青森商工会議所は県からの補助金を活用し、青森市タクシー協会、青森県観光連盟、青森市観光課など関係者と連携しながら、朝の入港から出港までのスケジュールを組んだ観光メニューの提案など、クルーズ旅行を企画・実施する運航会社や旅行社の要望に応じた市内回遊型のモデルコースづくりに知恵を絞る。地元観光業界が一体となり寄港者を「もてなす」環境を整えるのが最大の眼目だ。
 青森商工会議所は「静穏度が高い天然の良港である青森港はクルーズ拠点港として飛躍する大きな可能性を秘めている。官民挙げた取り組みで青森港の競争力を高め、クルーズ定着、飛躍へとつなげたい」と話している。

2014年度の寄港予定

船      名 乗客定員
ダイヤモンドプリンセス(115,875t) 2,674名
にっぽん丸(22,472t) 368名
ぱしふぃっくびいなす(26,561t) 476名
飛鳥Ⅱ(50,142t) 800名
ハンセアティック(8,378t) 184名
セレブリティミレニアム(90,228t) 2,034名



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