特 集
東北新幹線 全線開業1周年

 東北新幹線東京−新青森間の全線開業から1年を迎えた12月4日、新青森駅をはじめ各地で記念式典やイベントが行われた。
 開業1年目は、順調に利用者数が伸びていたなかで震災が発生し、鉄道施設への被害や全国的な観光需要の落ち込みにより観光客が激減。厳しい状況に陥ったものの、極めて短期間で路線の復旧が行われたことや、JRグループおよび本県関係者らによる誘客促進や観光商品の投入が精力的に行われたことによって、今年後半からは回復基調となっている。
 開業から1年、これまで獲得してきた開業効果をさらに継続・拡大させる取り組みが求められる2年目が始まった。


 新青森駅の式典でくす玉を割る鹿内市長・林会頭

キャンペーンオープニングセレモニーでテープカットする
JR原口常務、佐々木副知事、林観光連盟理事長

新青森駅などで盛大に祝賀行事

 新青森駅2階コンコースでは、記念式典が行われ、小比類巻駅長、鹿内市長、東北新幹線新青森駅開業対策事業実行委員長の林会頭が挨拶の後、記念くす玉開花で1周年を祝った。
 東京駅発の下り列車を、ねぶたの囃子とともに横断幕を手にした子供たちが出迎えたほか、津軽三味線などの郷土芸能の披露や市民手作りのプレゼント配布などで賑わった。
 また、青森県内の「ゆるキャラ」20体が勢揃いし記念撮影に大人気となったほか、福引ラリーや冬の縁日、浅虫温泉「手湯」コーナー、鉄道模型展、鹿児島からの観光PR・クイズ大会、いものこ汁の振る舞い、記念品プレゼントなどの多彩なイベントが行われ、あいにくの荒天にも関わらず多くの観光客や市民で終日賑わった。
 また、3日には前夜祭が行われ、1階玄関ホールにつり下げられたLED電球400個のイルミネーション点灯式が、市民の吹奏楽やハンドベル演奏とともに行われ、青森おでんの会の高橋副会長らによる生姜味噌おでんの振る舞いには行列ができた。
 アスパムでは、県観光連盟などの主催により、来年3月まで実施される開業1周年キャンペーン開始式が行われ、県内40市町村の物産が集まった「青森まるごとお宝自慢市」も開催された。

もっと活かすぞフォーラム開催

 県・県鉄道整備促進期成会及び県観光連盟は12月3日、東北新幹線全線開業1周年記念「東北新幹線ありがとう!もっともっと活かすぞフォーラム」を開催した。
 基調報告で、JR東日本の原口常務は、「震災で開催が危ぶまれた青森デスティネーションキャンペーンを東北の復興に向けた取組の一環として位置付け、県とともに東北の元気を青森から発信すべく予定どおりの実施を決定。懸命の努力で4月29日に東北新幹線全線での運転再開にこぎつけ、緊急キャンペーンとして55万枚発売したJR東日本パスの効果もあり、個人・グループ客が増え、青森県への旅行客の回復を下支えすることができた。9月23日からは通常ダイヤに戻り、11月からはE5系を7編成に増やし、来年3月のダイヤ改正で10編成とする。」と明言。「今後、JR東日本グループ、JALグループと県が連携し、台湾便を利用した旅行商品開発を行い、広域観光・通年観光を支援していきたい。」と述べた。
 また、フォーラムでは「新幹線で元気いっぱいバトル」と題し、A-FACTORYを運営するJR東日本商業開発の藤間勉さんや、弘前観光コンベンション協会の坂本崇さん、八戸せんべい汁研究所の木村聡さんら6人が開業を契機とした取組を紹介し、新幹線を活かして本県観光をどう盛り上げていくべきなのかについて語り合った。
 最後に、三村知事が「開業1周年を契機に、より一層青森力を結集し、もっと元気な青森県に向けて新幹線を活かしていこう」と決意を表明した。

新幹線もっともっと活かすぞフォーラム

〜冬の青森へ〜 記念キャンペーン展開

 12月4日に東北新幹線の全線開業1周年を迎えた県、県観光連盟はJR東日本と連携して「東北新幹線新青森開業1周年キャンペーン」を展開している。
 キャンペーンは、「行くたび、あたらしい。青森」〜ようこそ冬の青森へ〜をキャッチフレーズに平成23年12月1日から平成24年3月31日の4ヶ月間展開され、JR東日本の首都圏の主な駅では、八戸市出身の作家室井佑月さんを起用したポスターを掲出するとともに、観光イベントガイドブック50万部をJRの主要駅や旅行エージェントに配布する。
 また、首都圏キー局のテレビ番組や旅行雑誌等の媒体を活用し、本県の観光・物産・食・温泉・人などをクローズアップした情報を強力に発信する。
 11月11日から13日には、JR東日本の協力を得て仙台駅2階コンコースで、キャンペーンイベントを開催し、青森の食や温泉など冬場の観光資源を積極的にPRしたほか、12月16日から18日には、大宮駅でキャンペーンイベントを開催するなど、首都圏などで観光プロモーションを展開する。
 JR東日本では、青森県の食や温泉に特化した商品やリゾート列車を利用する商品など、首都圏を中心に仙台圏や隣県から本県への各種旅行商品の造成を積極的に行い、需要が落ち込みがちな冬期間の旅行需要を喚起する。

新青森開業1周年キャンペーンポスター

八戸・新青森間の利用者22%増

 JR東日本が取りまとめた昨年12月に全線開業した東北新幹線八戸〜新青森間の今年11月までの利用者数(東日本大震災の影響で利用実績が激減した今年3〜6月を除く)は1日平均約9,200人に上り、前年より22%増加した。  JR東日本によると、東北新幹線全線開業前、東北線・八戸〜青森間を走行していた特急列車の利用実績は1日平均約7,500人。全線開業後の利用者は、震災の影響が大きかった時期を除き、前年より1日平均で約1,700人増加した。

主要観光施設入込数前年並みに回復

 青森県が取りまとめた主な県内観光施設(34施設)の入込数は、12月4日の全線開業後、前年比で12月129%、1月130%、2月111%と増加したが、3月11日の震災以降3月は59%に激減し、4月23日から東北の復興に向けた取組の一環と位置付けて実施した「青森デスティネーションキャンペーン」や東北新幹線が全線再開したゴールデンウィークを契機に4月63%、5月76%と徐々に回復し、6月以降は前年並みの100%台に回復した。
 A-FACTORYやワ・ラッセなど、新たな施設が整備され賑わいを見せている青森駅周辺では、八甲田丸は前年比196%、アスパムも昨年12月から今年10月まで(震災の影響で利用実績が激減した今年3〜4月を除く)131%増と健闘している。
 主な県内宿泊施設(56施設)の利用状況についても、12月4日の全線開業後、前年比で12月109%、1月126%、2月112%増加したが、3月11日の震災以降、宿泊キャンセルが相次ぎ、3月76%、4月77%と激減したものの、東北新幹線が全線再開したゴールデンウィークを契機に5月86%、6月97%と徐々に回復し、7月以降は前年並みの100%台に回復した。
 地域別では、八戸市内20施設、青森市内13施設、弘前市内14施設は6月以降、前年並みの100%台を維持しているが、新幹線駅からのアクセスに時間がかかる十和田湖畔3施設、むつ市内6施設は、8月以降も80%前後と低調に推移している。

コンベンション開催過去最多

 県と県観光連盟が取りまとめた県内で本年度開かれる全国規模の学会や会議、スポーツ大会などのコンベンションの件数(助成金制度利用ベース)は10月31日現在、45件、延べ宿泊者数3万4,239人に上り、いずれも過去最多である。東日本大震災の影響で一時はキャンセルが相次いだものの、昨年12月に全線開業した東北新幹線の早期復旧なども後押しし、最終的にはキャンセルを上回る追加開催が決まっている。来年度も43件、延べ宿泊者数1万8,090人が見込まれている。
 県と県観光連盟によると、助成金制度は延べ宿泊者数100人未満の小規模なものや、公的機関が開催する場合は助成対象としていないため、実際にはもっと多くの開催件数、来県者があるという。
 昨年9月時点での助成金制度への申請状況は、11年度43件、延べ宿泊者数4万1千人だった。しかし、大震災の影響などでキャンセルが7件あり、規模縮小も相次いだ。一方で追加申請が9件あったため、最終的には、延べ宿泊者数こそ当初より減ったものの、件数は2件増。いずれの数字も2006年度以降では最多となった。
 昨年5月から11月に県内で開かれた18コンベンション(参加者13207人)を対象に県観光連盟が行った試算では、宿泊や飲食、施設利用などによる直接的経済効果は3億2,838万円。土産品の製造や雇用者への給与など間接的経済効果を含めた経済波及効果は9億2,811万円に上り、80人ほどの雇用創出効果があり、単純な比較はできないものの、本年度開催されるコンベンションの経済波及効果は大幅増となる見込みである。

新青森駅で みんなでおもてなし

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